京大当局による新型コロナ感染拡大を口実にした課外活動の制限に抗議します【声明】

2020/04/01

声明・申入書

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京大当局が3月31日に発表した学生の課外活動に対する事実上の禁止措置に対して、即座に抗議声明を作成し発表しました(※)。

声明文では4月8日から授業が行われる前提で書いていますが、その翌日4月1日に授業延期が決定しています。

ただ、京大当局が、学生自身が課外活動のあり方について自主的に考えることを真っ向から否定している事実は変わりません。

今後、5月以降に授業が再開されても施設利用やビラまきの禁止が継続され、違反者に対して懲戒処分を含めた罰則を行う可能性もあります。

継続して今回の通達を含めた課外活動への規制・介入に抗議していくことが重要です。








抗議声明


2020年3月31日
京都大学全学自治会同学会 執行委員会

 京都大学当局は3月31日付で『課外活動の自粛及び施設使用の一時停止について』を発表した。これは学生の課外活動に対する事実上の禁止措置であり、断じて認めることはできない。強く抗議し、撤回を求める。



1.本質は学生の表現活動・課外活動の全面規制である

 京大当局は「課外活動についても、新型コロナウィルス感染拡大を招く機会となり得る」ことを理由にすべての課外活動の自粛を求めると同時に、学内施設の使用禁止と、ビラ配布などの勧誘活動全般を控えるよう求めている。
 しかし京大当局は4月8日から語学や実験・実習の対面授業を行うと明言している。密閉空間・密集場所・密接場面の三拍子揃った授業を学生に強制する一方で、ビラ配布など感染リスクが非常に低い行為を含め、学生自身の自主的な活動を一方的かつ全面的に禁止するというのは矛盾している。
 京大当局はこの数年間で、立て看板規制やオープンキャンパス・入試におけるビラまき規制、11月祭の飲酒規制・日程短縮の強要などを進めてきた。今回の通達は「感染防止」を口実にした表現活動・課外活動への規制強化であり、断じて認められない。



2.大学改革と一体の学生自治解体攻撃である

 昨今の大学改革の中で総長の権限が強化され、学生自治会や教授会の権限は奪われ続けてきた。京大で言えば、2012年に再建した同学会執行委員会の非公認化や、寮・学部自治会との交渉拒否、吉田寮生への提訴などが強行されてきた。こうして学生が団結して行動する力を奪い、カリキュラムを強化し、大学を国や大企業にとって都合のいい人材育成の場に変えてきた。京大の授業強行と学生への課外活動禁止の根拠もここにある。

 そもそも、感染リスクをゼロにすることはできない。生活の様々な場面で人間同士の接触は必ず発生する。むしろ学生自身が自治会を通じて協力し、情報共有と対策を進めていくことが必要だ。特に勧誘活動の禁止で新入生を孤立させることは、自己責任の名で事態を放置することになる。今こそ実態をもった全学自治会が必要なのだ。

 今回の通達は、学生との話し合いなく一方的に決定されたばかりか、学生同士を分断し孤立化させるものであり、断じて認められない。



3.安倍政権の戦争国家化政策への追随である

 新型コロナウィルスの感染拡大に際して「新型インフルエンザ等対策特別措置法」が改正され、緊急事態の宣言が可能になった。1月末の時点で自民党幹部が「感染拡大は憲法改正の実験台。緊急事態の一つの例」と発言したように、これは改憲への水路として進められている。そして緊急事態条項の導入は、戦時の国家総動員や労働運動・学生運動の鎮圧を可能にするために自民党が求めてきたものである。

 今回の通達は、政府・文科省の意を受けた京大当局が独裁的権限を握り、学生の主体的な活動を否定し、一方的に支配する体制を固めるものだ。緊急事態宣言―改憲―戦争国家化の先取りとも言うべき内容であり、断じて認められない。



 以上の観点から、京大当局に対して以下要求する。

① 『課外活動の自粛及び施設使用の一時停止について』なる通達を撤回し、課外活動・新歓活動の自由を認めよ。

② 感染リスクのない宣伝活動の場としてKULASISなどの新入生への通信手段を開放し、公認・非公認問わず学生団体が勧誘できるよう保障せよ。

③ 授業を含めた今後の学生生活全般について、どのように感染対策をするのかを討論する団体交渉の場を早急に設定して周知せよ。


以上

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