湊総長の緊急メッセージについて

2021/01/29

調査報道

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 湊総長の緊急メッセージについて

 1月12日付けで、湊総長から京大生に向けて緊急メッセージが出されました。メッセージの内容は新型コロナウイルス感染症の急速な拡大を受け、改めて京大生に感染症対策を求めるものでした。「不織布マスクをはずした状態での第三者との近距離での会話や食事(会食)を避ける」等の対策がわかりやすい図表つきで挙げられていました。


1月12日付の緊急メッセージ(画像をクリック)


 一方で、このメッセージ中では大学側としてとる感染症対策についての言及が一切されていません。対面での期末試験の見直しや学内でのPCR検査導入等を始めとして検討するべき取り組みは多くあります。自粛に伴い生活が経済的・精神的に苦しくなっている学生への補填、あるいは補填を政府に求めることもその一つです。「自粛を要請する」ならば「自粛させる」側が「自粛」による損害の責任をとるべきだという当たり前の社会規範がこのメールにおいては軽んじられています。

 また、湊総長のメッセージにおいては学生が感染症対策をすることが「本来の自由で活発な大学生活を取り戻すための必須条件」として言及されていますが、現状の理事会が言及する「本来の自由で活発な大学生活」とは何なのか、首をかしげざるを得ません。新型コロナウイルス感染症を抜きにしても、学生との対話なく一方的に導入されたキャップ制を撤回せず、学則に基づいた法学部自治会の学生投票を黙殺し、学生意見箱では木で鼻をくくったような回答を連発するような、無法で対話不能な大学において学生にどのような自由がありうると主張しているのでしょうか。自由とは無秩序のことではありません。正当な法が守られ、かつ対話が尊重される場においてこそ自由が獲得できることでしょう。

 最後になりますが、緊急メッセージについて不明な点があった際の連絡先が書き忘れのためか白紙になっていました。学生に寄り添い学生と対話できているならば、連絡先を書き忘れるなどというミスは起こらないはずです。

 「京大生としての良識と自覚」を学生に要求する前に、京大当局としての良識と自覚をもった責任ある対応が求められます。

(調査報道部)

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