「クラス指定自習室」についての要求書を提出しました
先日から集めていた「クラス指定自習室」についてのアンケート結果を受けて要求書を作成し、2月22日に国際高等教育院宛てに郵送しました。以下、要求書の文面です。
要求書文面
2021年2月20日
京都大学 国際高等教育院長 宮川恒 殿
京都大学全学自治会同学会厚生部
クラス指定自習室に関する要求書
京都大学全学自治会同学会厚生部は、1月に公開した「『クラス指定自習室』に関する諸問題」という声明に記した通り、2020年10月から開始された「クラス指定自習室」にはアルコール消毒液が置いていない、設置時間が英語リーディングの授業と被っているなどの問題があるとして、1回生を中心に全学生に向けてアンケート調査を行った。「クラス指定自習室」は、2020年度の全学共通科目を始めとしてほぼ全ての授業がオンラインとされたため、全学共通科目を多く履修する1回生間での交流促進を目的として設置された。2021年度前期の全学共通科目の授業は基本的に対面授業として予定されているが、今後のCovid19の感染状況によっては、避けなければならない事態ではあるが、2020年度のようにオンライン授業が大半を占める可能性もある。同学会厚生部は、京都大学高等教育院が実施する今後のコロナ対策全般について、2020年度に行われた「クラス指定自習室」の取り組みについての学生の意見と向き合い今後の対策に反映させること、特に以下の4点を要求する。
・今後授業の大半がオンラインになった際に、「クラス指定自習室」のような学生間の 交流のための自習室を設置する。
・その際、同自習室を英語リーディングの授業時間に限定して設置しない。
・同自習室やそれに類する自習室などを終日利用できるようにする。
・同自習室の取り組みに限らず、学生との対話を行う。
「クラス指定自習室」についての評価
「クラス指定自習室」は、一部のクラスにおいては10人以上の学生が集まった場合もあったようだが、多くのクラスでは利用者が少なかった。一方、利用していた学生からは、他の学生と直接会うことができる、学習面で良い効果を生む、クラス間の交流ができる、といった肯定的な意見が出た。また、利用した学生の多くが、「2回生以降も利用したい」と回答している。大学はより多くの学生がクラス指定自習室を利用できる環境を整えるべきであったと考えている。今後オンライン授業が大半を占める状況になった際には「クラス指定自習室」のような学生間の交流のための自習室を設置するべきである。
多くの学生は「クラス指定自習室」を利用していなかったが、その主な理由としては、設置時間が英語リーディングの授業と被っている、設置時間が短い、設置頻度が少ない、ことなどがあげられる。
英語リーディングの授業時間に限定して設置しないこと
国際高等教育院によれば、「クラス指定自習室」の時間帯は、クラス内の交流を促進するために、英語リーディングの授業と被せているという。しかし、授業時間と被っているため利用できなかったという声が最も多かった。また、英語リーディングの授業はオンラインで行われていたため、授業時間にクラス指定自習室に行くのであれば、授業を対面にすればよかったのではないかという疑問の声が上がっている。学部の授業の一部には対面とオンラインのハイブリッド型もあったため、英語リーディングの授業もそうした形をとるという対策もできたのではないか。英語リーディングの時間にクラス専用の自習室を設置すればクラス内の交流が促進されるだろうという想定から、コロナ禍の中で孤立し困窮する学生たちに対する支援策としてこの取り組みを行ったことは、あまりにも小手先の対策であるとしか言えない。
終日利用できるようにすること
クラス指定自習室は1クラス一週間あたり1時間30分という極めて限られた時間しか利用できなかった。これに対して、終日利用できるようにしてほしかったなど、より長い時間設置されることを望む声が多く寄せられた。クラス指定自習室とは別に設置された自習室に関しても、利用時間が短縮されて使いづらかったと意見が出ている。また、履修する授業時間の都合で、行きたくても行けなかったという声も上がっている。クラス指定自習室は2020年11月4日付の学生メールにて通告され11月5日から開始されたが、より早く設置を検討し学生が後期の履修授業を決める前に連絡していれば、より多くの学生が利用できたのではないか。後期の授業が始まってから1か月あまり経ってから開始するという判断は不適切であった。さらに、1限の時間帯に設置されたクラスの学生からは、朝早くて利用しづらかったという意見も出ている。以上より、1時間半という設置時間は実状に全く即していないことは明らかである。クラス指定自習室に限らず、自習室などそれに類似する取り組みを行う際には、終日利用できるようにすることを要求する。
学生との対話を行うこと
クラス指定自習室についてアンケート調査を行って得られた具体的な欠陥は以上2点であるが、そもそもほぼ全ての授業がオンラインになっている状況では、たとえクラス指定自習室が設置されても利用できないという意見も見られた。やはり根本的な解決は、なるべく全ての授業を対面にすることである。後期に入り他大学で次々と対面授業が再開される中、京都大学では1回生が多く履修する全学共通科目のほとんどがオンライン授業であった。アンケートの回答全体を通して判明したのは、こうした状況下で、大学に対して学生が強い不満と不信感を持っているということである。大学に要求を出しても何も変わらないだろうという意見も見られ、京都大学は学生の意見を聞かないということが共通認識となりつつあるのではないか。大学は学生がいなければ成り立たない。現時点での京大生の大学に対する認識を重く受け止め、学生との対話を誠実に行うよう要求する。
以上
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